都市部の市内近郊の駐車スペースを、デジタル技術を活用して効率的に利用するためのコンセプトの開発に取り組むドイツの共同プロジェクト。都市部における交通や物流の流れを改善し、住民や環境への負荷を軽減することを目的としている。
例えば、駐車場の稼働率の低い時間帯に空いているスペースを物流の中間拠点として活用し、同拠点から電動アシスト自転車を使って最終的な配達先まで届けるコンセプトなどを検討している。最初のパイロットプロジェクトはシュツットガルトで実施する計画。
プロジェクトの実施期間は2017年7月~2019年12月までの30カ月。フラウンホーファー労働経済組織研究所(IAO)のほか、ドイツの新興企業のevoparkとveloCARRIERが参加しており、プロジェクトの調整役はevoparkが担当している。
また、独連邦運輸デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)は同プロジェクトに202万ユーロを支援している。
evoparkは、無線ICタグ(RFID)の付いたカードを発行して、駐車料金を月末に一括して決済できるサービスを提供している。RFID付きカードを駐車場の入り口にある機械にかざすと遮断機が自動的に上がり、駐車料金も毎回支払う手間が省けるため、ドライバーにとっては駐車時の快適性が向上する。
veloCARRIERは、配達先までの最後の近距離の配送(ラストワンマイル)を電動アシスト自転車で行うサービスを提供している。物流会社などがveloCARRIERの集荷拠点(シティハブ)に配送物をとどけ、同拠点からveloCARRIERが電動アシスト自転車を使って最終的な配達先まで届ける仕組み。