独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車大手アウディは7月21日、欧州および他の世界市場(米国とカナダを除く)で、排ガス基準「ユーロ5」と「ユーロ6」に対応するディーゼル車を対象に自主的なリコール(回収・無償修理)を実施すると発表した。6気筒および8気筒のディーゼルエンジン(V6 /V8 TDI、EU5/EU6)を搭載したモデル、最大85万台が対象となる。VWおよびVW傘下の高級スポーツカーブランドであるポルシェでも同じエンジンを搭載したモデルをリコールする。
今回のリコールは、ソフトウエアのアップデートを行うもので、独自動車大手のダイムラーも先頃、欧州でディーゼル車300万台超を対象に同様の自主的なリコールを実施すると発表した。
アウディは今回の措置により、ディーゼル車の排ガスに含まれる有害物質による大気汚染に関する議論が高まっており、対策としてディーゼル車の市内走行規制が検討されていることに対応する。また、ディーゼル車は燃費が良いため二酸化炭素(CO2)排出量が少なく、欧州のCO2排出量の目標値の達成に寄与するため、今回の措置に踏み切った、と説明している。