独高級車大手のBMWは7月23日、独有力誌『シュピーゲル』(7月22日発行)による独自動車大手5社によるカルテル疑惑報道に対して声明を発表した。BMWグループは、ディーゼル車を含む車両において不正操作を行っておらず、法的な要求を満たしていると強調するとともに、ディーゼル車の排ガス処理に使用する尿素水タンクをめぐる会合は欧州におけるインフラ整備の構築に必要な議論であったとの認識を示している。
『シュピーゲル』誌は、ディーゼル車の排ガス処理システムである選択触媒還元(SCR)システムで使われる尿素水「アドブルー(AdBlue)」のタンクの大きさについて、ダイムラー、BMW、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲン(VW)の5社が会合し、小型のタンクを採用することで合意したと報じている。
BMWグループはこれに対し、「アドブルー(AdBlue)」のタンクが小型であるため、排ガス基準「ユーロ6」に対応した車両で十分に排ガス浄化が行われていないという批判は同社の車両には該当しないと反論している。
BMWグループのディーゼル車では、複数の排ガス処理部品を組み合わせており、SCRシステムに加え、窒素酸化物(NOx)吸蔵還元触媒を採用しているため、小型の尿素水タンクを採用していても、排ガス規制の基準を満たすことができ、実際の走行時にも排ガス浄化で良好な結果を得られている、と強調した。
尿素水タンクに関する他の自動車メーカーとの議論に関しては、BMWグループの観点では、欧州における(尿素水補充のための)インフラ整備の構築に必要な議論であったと認識している、との見解を示した。