旅客機での高速ネット利用が可能に

電気通信大手のドイツテレコムと英衛星運営会社インマルサットが航空機向けの高速通信網「ヨーロピアン・アビエイション・ネットワーク(EAN)」の運用を年末までに開始する。対象となるのは欧州連合(EU)とノルウェー、スイスの計30カ国。インマルサットは全世界で事業を展開する計画で、まずはフライト需要が急速に増えているアジアに進出する意向だ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が両社への取材をもとに報じた。

EANは仏タレス製の衛星1基とノキア製品を用いた地上基地局500カ所からなる。宇宙と地上に通信設備があることから、通信の安定性が高い。通信速度は現在最速の規格であるLTEに匹敵する。

利用するためには航空機に受信機などの装置を搭載する必要がある。受信機の重量は7キロで、これまでの航空機用受信機(最大で同100キロ)に比べ大幅に軽い。2020年代半ばまでに2万5,000機に搭載される見通し。独ルフトハンザや英ブリティッシュ・エアウェイズはEANをサービス開始の時点から利用する。出張客を中心に需要があるとみられている。

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