Volocopter

電動ヘリコプターを開発するドイツの新興企業。タクシー用の電動ヘリコプターの量産を目標に掲げており、自動操縦システムの導入も視野に入れている。2017年7月には増資により、2,500万ユーロ超の資金を調達した。

同社はドイツ南西部のブルッフザールに拠点を置く。18のローターを搭載したマルチコプターを開発している。同社が開発するプラットフォームは、パイロットによる操縦運転、遠隔操縦、自動操縦に対応することができるという。

7月の増資では、独自動車大手のダイムラー、米半導体大手のインテル、ベルリンの技術企業系投資家であるルーカス・ガドフスキ氏などが新たに資本参加した。

調達した資金は、量産化に向けた開発や、世界各国の当局から認可を取得するための試験飛行などに充てる計画。また、市場投入に向けてマーケティングやPR活動も強化していく。

2016年にはドイツの航空当局から2人乗りのコンセプトモデルで仮認可を得ている。2017年第4四半期(10~12月)にはドバイの道路交通庁(RTA)と共同で自動操縦による電動ヘリコプタータクシーのデモンストレーション飛行を予定している。

独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、2018年末には個人向けの販売を開始する見通し。

同社のフロリアン・ロイター最高経営責任者(CEO)は約3年前に独電機大手シーメンスから転職してきた。ヤン・ヘンドリクス・ボーレンス最高技術責任者(CTO)は欧州航空機大手のエアバスでヘリコプターの電気システム開発を統括していた経歴を持つ。創業者はすでに経営から身を引いているという。

ロイターCEOは7月の増資について、ダイムラーの量産化技術や、航空業界に比べて短い自動車業界の開発期間などに関するノウハウをVolocopterの今後の事業展開に生かしていきたいとの抱負を語っている。

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