ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、ベルギー)はこのほど、トルコ同業アナドル・エフェスとロシア、ウクライナ事業を統合すると発表した。両国の市場が冷え込む中、多様なブランドを展開して市場シェア拡大を図る。統合によりロシア市場では業界2位に浮上する。当局の承認を経て、来年半ばまでに統合手続きが完了する見通しだ。
両社は折半出資で新会社ABインベブ・エフェスを設立し、それぞれのロシア・ウクライナ事業を統合する。ABインベブは昨年10月の英SABミラー買収でエフェスの株式24%を取得しており、新会社への出資分を保有株式として処理するとともに、新会社をエフェスの決算に連結する計画だ。
ロシアのビール市場は2000年以降に急成長したが、08年に政府が過度な飲酒を抑制する目的でビール税や販売制限規定を導入して以来、消費が落ち込んでいる。業界最大手は市場シェア35%を占めるカールスバーグで、エフェスは2位(16%)、ABインベブは3位(12%)に着ける。