ドイツ鉄道（DB、ベルリン）は21日、英子会社DBアリバがクロアチアのバス運行大手オートトランス（ATG）の株式78.34％を取得し傘下に収めたと発表した。欧州事業拡大戦略に沿うもので、クロアチア民間バス市場の最大手に浮上する。取引額は非公表。
ATGは従業員数が1,100人、運行車両が448台、売上高が4,940万ユーロで、民間バス会社として国内1位を誇る。今回の買収でDBアリバのクロアチア事業は従業員が1,400人、運行車両が600台、年間延べ乗客数が1,150万人へと大幅に拡大する。
DBアリバは14カ国で事業を展開している。これまでのところ、売上高の半分以上を英国で稼ぎ出しているが、次第にその軸足を国外に移しつつある。最近ではスウェーデン南部の鉄道運行業務を5億5,000万ユーロで落札したほか、オランダでの鉄道運行契約を15年間延長した（契約額：16億ユーロ）。
ルートハート社長は「英国の欧州連合（EU）離脱で、運行地域の拡大が一層重要になっている」としたうえで、「離脱が大きな足かせになることはない」とみる。欧州事業拡大では、単に規模を大きくするだけでなく、車両購入などのシナジー効果で収益体質を強化する方針だ。