独高級車大手のBMWは、内燃エンジン車、ハイブリッド車、電気自動車を同じ生産ラインで生産できる柔軟な体制を構築する計画だ。将来、どの駆動システムが普及するかの見通しが不透明なためで、BMWのハラルド・クリューガー社長は、「3機種すべてを供給できる柔軟性が唯一の答えだ」との見解を示している。業界紙『オートモーティブ・ニューズ』(電子版、8月7日付)が報じた。
同紙によると、BMWは駆動システムによって工場を分けるのではなく、1つの工場で3機種すべてに対応できれば、市場動向によって各工場の稼働率に大きなバラツキが発生するリスクを回避できると考えている。このため、BMWでは3機種すべてに対応したプラットフォームを開発している。同プラットフォームを採用した最初のモデルは「X3」と「3シリーズ・セダン」となるもよう。BMWは「X3」の電気自動車を2020年に発売する計画。同紙によると、「3シリーズ」の電気自動車は2019年または2020年の市場投入が予想されている。
BMWは現在、電気自動車の「i3」とプラグインハイブリッドのスポーツカー「i8」をドイツのライプチヒ工場で生産している。『オートモーティブ・ニューズ』紙によると、BMWのオリバー・ツィプセ生産担当取締役は「i3」と「i8」の生産システムについて、工場の中にもう一つ工場があるようなもので、通常の生産ラインとは完全に分離した生産体制となっている、と説明し、このようなシステムは、「我々の将来戦略ではない」と語っている。また、同取締役は車載電池について、重量があり、輸送コストが高くなるため、完成車工場の近くで調達できれば有利になる、との見解を示した。