ライフサイエンス大手の独メルク(ダルムシュタット)は8月28日、製薬会社向け分析製品を手がけるカナダ企業ナトリックス・セパレーションズを買収することで合意したと発表した。混合物を分離する分析化学の手法であるクロマトグラフィーの分野で製品の幅を拡充し、次世代の生物学的処理(バイオプロセシング)技術分野で競争力を強化する狙い。買収金額は公表しないことで合意した。9月末までの買収手続き完了を見込む。
トリックス・セパレーションズは使い捨てクロマトグラフィー・ユニット向けのハイドロゲル膜(多量の水を含んだ三次元の網目構造をもつゲルからなる膜)を手がける企業。メルクは同社を買収することで、モノクローナル抗体とワクチン生産の加速を可能とする製品を提供できるようになる。
メルクによると、次世代バイオプロセシング技術を利用するバイオ医薬品メーカーが増えている。生産の効率・柔軟性向上につながりコスト削減を実現できるためだ。