乗用車新車登録、8月は3.5%増に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した8月の乗用車新車登録台数は25万3,679台となり、前年同月比で3.5%増加した。購入補助金が支給される環境対応車がこれまでに引き続き大きく伸びた。旧型ディーゼル車を下取りに出して新車を購入する顧客に報奨金を支給するメーカーの取り組みはディーゼル車の販売好転につながっていない。1~8月の新車登録台数は232万3,785台で、前年同期を2.9%上回った。

電気自動車(EV)の8月の新車登録台数は2,177台で、前年同月を143.2%上回った。補助金が追い風となっており、プラグインハイブリッド車(PHV)も213.0%増の2,617台と好調だった。ハイブリッド車(HV)全体では76.4%増えて6,927台となった。

ガソリン車は15.0%増加し、シェアが前年同月の52.6%から58.4%へと拡大。ディーゼル車は都市部での走行規制懸念を受けて13.8%減少した。シェアは45.3%から37.7%へと大きく落ち込んだ。

新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は前年同月比横ばいの128.2グラムだった。

シェアが最も大きかったのはコンパクトカー(2.5%減)で、23.9%に上った。これに需要増加中のSUV(30.0%増)が16.6%で続き、3位の小型車(販売2.8%増、シェア13.3%)との差を広げた。

VWは約11%減に

伸び率が最も大きかったブランドはDSで、前年同月比97.5%増の322台に拡大。これにアルファロメオ(66.2%増の502台)、三菱(42.5%増の3,512台)が続いた。

ドイツ車ではオペル(13.0%増の1万8,579台)とミニ(11.7%増の3,152台)が2ケタ台の伸びを記録した。メルセデスは7.5%増の2万6,679台、BMWは6.7%増の1万8,713台、スマートは3.3%増の2,382台、アウディは0.9%増の1万9,406台で、フォード(4.8%減の1万6,586台)、ポルシェ(6.1%減の1,966台)、VW(10.9%減の4万3,531台)は落ち込んだ。

三菱以外の日本車ではスズキが特に好調で、24.6%増の3,404台に拡大。マツダ(6.9%増の5,392台)、レクサス(6.8%増の203台)、日産(6.1%増の5,980台)、ホンダ(2.7%増の1,723台)、トヨタ(1.9%増の6,028台)も前年同月を上回った。スバルは2.3%減の458台とやや落ち込んだ。

日本車以外の主な輸入ブランドではダチア(31.2%増の6,437台)、プジョー(28.2%増の4,536台)、ボルボ(24.7%増の2,242台)、ランドローバー(19.8%増の1,756台)、ルノー(16.9%増の8,848台)、シトロエン(15.8%増の3,921台)、テスラ(15.8%増の198台)、セアト(13.1%増の8,934台)、シュコダ(12.8%増の1万4,624台)が2ケタ増となり、起亜も3.8%増の5,301台と拡大した。その他はフィアットが5.3%減の6,167台、現代が6.0%減の8,683台、ジャガーが21.0%減の639台、双竜が22.3%減の282台、ジープが38.9%減の985台だった。

独自動車メーカーなどはディーゼル車走行規制回避策の一環で、旧型ディーゼル車の下取りに出して新車を購入する顧客に報奨金を支給するキャンペーンを8月初旬に開始した。だが、ディーゼル車を購入した場合の奨励額が最大1万ユーロに達するVWで新車登録の減少幅が10%を超えるなど、少なくとも現時点では効果が出ていない。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した8月の国内乗用車生産台数は45万9,900台で、前年同月を12%上回った。同輸出台数も13%増えて35万7,300台となった。1~8月の累計は生産台数が前年同期比2%減の375万7,300台、輸出台数が1%減の289万9,900台だった。

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