新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8日、ロシアのウラジオストクで開催された東方経済フォーラムで、両国の民間企業による極東地域での風力発電システム導入に向けた基本協定書2件の締結を実現させたと発表した。NEDO自身もサハ共和国、ロシア国営発電会社ルスギドロとの間で風力発電システムの実証に関する意向表明書に調印しており、極東ロシアの電源多様化を支援することで同地のディーゼル発電依存度引き下げに貢献する考えだ。
基本協定書はカムチャツカ地方ウスチ・カムチャツク市とチュコト自治管区ラブレンチア村における風力発電システムの本格導入に向けたもので、自治体政府とルスギドロ、三井物産、駒井ハルテックとの間で締結された。NEDOはウスチ・カムチャツク市で2014年から実証事業に取り組み、ディーゼル燃料使用量を年400トン削減することに成功したことから、今回の協定が成立した。今後は同市よりも寒冷なサハ共和国北部のティクシ市で風力発電システムの実証前調査に取り組み、実証事業の早期実現を目指す。
ロシア極東地域ではディーゼル発電に依存する独立電力系統が多い。今回取り決められた事業がすべて実現すると、風力発電容量は計3メガワット以上となり、ディーゼル燃料を年1,300トン以上削減できる。