ポーランドの国産電気自動車(EV)のプロトタイプが1年後にもお目見えする見通しだ。チフジェフスキ・エネルギー相が現地紙『ガゼタ・ヴィボルチャ』の取材で明らかにしたもので、政府は普及に当たっても強く支援する姿勢を示している。
電力大手4社が設立したエレクトロモビリティー・ポーランドはプロトタイプを公募し、このほど4種を入選作に選んだ。さらに検討を加えて、1年後をめどに最初のプロトタイプを完成させる予定だ。
国産EVの開発プロジェクトは、2025年までにEVを100万台普及させる政府目標に沿ったもので、政府が強く後押ししている。エレクトロモビリティー・ポーランドは、コンセプト策定を目的に設立された。
政府は策定中の「エレクトロモビリティーと代替燃料に関する法案」で、◇EV取引時の消費税免除◇充電スタンドの資産税免除◇EVにバス専用車線の走行を許可◇市内駐車料金免除――など優遇策導入を検討している。また、国産EVを生産する企業に製造コスト70%を助成する案も浮上している。
石炭が伝統的産業のポーランドでは、大気汚染が深刻な問題となっている。国産EV計画は、この問題を軽減することに加え、新たな国内産業を育てる狙いもある。