欧州中央銀行(ECB)は21日、短期金利の新たな指標を2020年までに導入すると発表した。欧州銀行間取引金利(EURIBOR)など広く利用されている指標金利の信用性が不正操作の続出で揺らぎ、取引量が減っていることを受けたもので、作業グループを設立して詳細を固める。
欧州ではEURIBOR、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が短期金利の指標として重視されている。しかし、これらは金融機関が自己申告した金利に基づいて算出されるため、これを悪用した不正操作が相次いで発覚。より信頼性の高い金利指標が必要との声が高まっており、英当局はLIBORを2021年末に廃止する方針を打ち出している。
ECBはこうした状況を踏まえ、新たな無担保翌日物金利の指標を導入することを決めた。銀行がECBのルールに則って報告するユーロ建て取引のデータに基づいた指標となる。
ECBが欧州証券市場監督局(ESMA)、欧州委員会などと共同で設立する作業グループは、金融業界の意見を聞きながら新指標金利を策定する。概要は来年中に公表する予定だ。