ドイツ政府は対トルコ取引向けの貿易保険の引受額に上限を設定した。dpa通信が報じ、独外務省と経済省が追認したもので、今年の引き受け総額を15億ユーロに制限する。トルコ当局は2月以降、ドイツ国籍を持つジャーナリストや人権活動家を相次いで逮捕。独政府の釈放要求などに応じないことから、貿易保険を通して経済的な圧力をかけ譲歩を引き出す考えだ。
経済省の広報担当者は「法治国家の原則は経済関係の基盤だ」と指摘したうえで、「政府はヘルメス保険を制限し個々の案件を厳しく審査するという結論に至った」と明言した。
政府はリスクの大きい輸出や国外プロジェクトを行う自国企業に対し、民間企業ユーラーヘルメスを通して貿易保険(ヘルメス貿易保険)を提供している。対トルコ取引への適用総額は15億ユーロを超える年もあるものの、クーデター未遂事件が起きた昨年は大きく減少。今年も8月末時点で計3億5,000万ユーロにとどまっていることから、総額が15億ユーロに達する可能性は小さい。