ルクオイル、国外での開発事業に注力

ロシアの民間石油大手ルクオイル(モスクワ)のアレクペロフ社長は23日、来年からの10カ年計画を発表した。国外鉱区での年間生産量を1億トンで維持するとともに、年間80億~85億米ドルの投資を続ける。

ルクオイルはこれまでも、カスピ海やイラクなど新鉱区開発に注力することで西シベリア油田の減産を補ってきた。今後はイランやメキシコへの進出を狙っている。アレクペロフ社長によれば、新計画では石油・天然ガス保有埋蔵量を11億~12億トン増やし、天然ガス生産量を2027年までに年350億~400億立法メートルに拡大する。

国外事業については、欧州におけるプロジェクトを継続し、トルコでの小売事業を維持することを確認した。イランではアベティムル(Abe-Timur)油田とマンスリ油田の開発で国営石油会社(NIOC)と提携交渉中。来月3日にはアレクペロフ社長が同国のザンギャネ石油相とモスクワで会談する予定だ。メキシコについては、伊エニと合弁プロジェクトの可能性を探っている。

なお、2018~22年の予算は、バレル当たりの原油価格を50ドル、対ドル為替相場を62~66ルーブルとして組んでいる。

■ウズベキスタンで天然ガス生産施設が稼働

ルクオイルは同日、ウズベキスタン南西部にあるギッサル・ガス田の天然ガス生産処理施設の開所式を行った。2021~22年には30億ドルを同国のガスプロジェクトに投資する予定だ。

国営石油会社ウズベクネフチガス(タシケント)のフルタノフ社長によると、ウズベキスタンは今年、ガス生産量を昨年より15億立方メートル多い565億立法メートルへ引き上げる予定だ。国内需要(300億立法メートル)を引いた残りを輸出する。政府は、ロシア、中国両政府と、それぞれ60億立法メートル、100億立法メートルを供給する契約を結んでいるという。(1RUB=1.95JPY)

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