ポーランドのワルシャワ証券取引所に上場する債権回収会社ゲットバック(GetBack、ヴロツワフ)が、スウェーデン同業イントラム・ジャスティシア(ストックホルム)の北欧事業買収に乗り出している。現地証券新聞『パルキエト』が特報として伝えたもので、米ゴールドマン・サックス(ニューヨーク)が交渉の調整に当たっているほか、買収資金の最大70%を融資する方向という。ただ、取引総額は7億~8億ユーロ(34億ズロチ)になるとみられており、資金調達が大きな課題となりそうだ。
ゲットバックは報道に関するコメントを避けているが、現地アナリストらはこの取引を「ありうるシナリオ」とみている。すでに機能している企業体を買収するのは、事業を一から自力で構築するよりもリスクが小さく、実現すればゲットバックの事業拡大戦略の一里塚となる。
大きな課題は資金調達とみられる。ゲットバックの時価総額は約22億ズロチ(5億1,000万ユーロ)で、予想取引額を大きく下回る。ゴールドマン・サックスが7割を融資したとしても、残る10億ズロチをどう工面するのかは不透明だ。ただ、『パルキエト』紙によるとゲットバックは現在、米国で投資家獲得に向けて動いている。また、アナリストの中にはゲットバックの柔軟な発想を評価し、「資金調達でもその能力を発揮するはず」と指摘する声もある。
イントラムは今年6月、ノルウェーのリンドルフと合併した。欧州競争当局は取引を許可する条件として、リンドルフのデンマーク、エストニア、フィンランド、スウェーデン事業と、イントラムのノルウェー事業を6カ月以内に売却することを義務付けた。イントラムは対象事業を一括売却する方向で、複数企業と交渉中だ。(1PLN=30.69JPY)