セルビア政策金利3.5%に、2カ月連続で利下げ

セルビア中央銀行は9日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、3.5%に設定した。中銀は先月、14カ月ぶりに利下げを実施し、政策金利を3.75%としたばかり。12月実施が見込まれる米利上げの影響で市場からの資金流出が懸念されるものの、インフレ鈍化と通貨ディナール高が進んでいることを重視し、2カ月連続の利下げに踏み切った。

セルビアのインフレ率は年初以来、中銀目標の範囲内(1.5~4.5%)で推移している。しかし、8月は2.5%と7月の3.2%から0.7ポイントも低下。物価の変動が激しい品目を除いたコアインフレ率は1.5%という低率を記録した。インフレ圧力は今後1~2年についても弱いままと予測される。

また、通貨ディナールは年初以来、ユーロに対し値を上げている。中銀はすでに1億ユーロ超のユーロ買い介入を実施するなど、ディナール高の抑制に努めてきたが、値上がり傾向が続いていた。

さらに、セルビア経済は冬の発電量低下や農産物の不作で低迷が続く見通しだ。国際通貨基金(IMF)は今年の成長予測を従来の3%から2.3%へ下方修正した。中銀はこれらの状況が今回の利下げにつながったと説明している。

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