EUと英政府は10月31日、次回の離脱交渉を11月9、10日に行うと発表した。通商を中心とする将来の関係に関する協議の早期開始に向けて、英国が拠出を約束したEU予算の分担金など「清算金」の支払いをめぐる問題で合意できるかどうかが最大の焦点となる。
離脱交渉は2段階方式。現在は清算金の支払いなど離脱条件に関する交渉が行われている。これに「十分な進展」があったとEU側が判断すれば、第2段階となる自由貿易協定(FTA)締結など将来の関係をめぐる協議に進む。
これまでに5回の交渉が行われたが、最大の懸案とされる清算金の額をめぐり、双方の溝が埋まらず、協議は難航している。このため英国を除くEU27カ国は10月20日に開いた首脳会議で、第2段階の交渉を開始するかどうかの判断を12月に先送りすることを決めていた。
英政府は12月のEU首脳会議で、第2段階の交渉開始を取り付けたい考え。デービスEU離脱担当相は31日、国会の答弁で、次回の交渉でEUに譲歩し、支払額の引き上げに応じる用意があることを示唆した。