ロシアのプーチン大統領は1日、訪問先のイランで同国のロウハニ大統領と会談し、エネルギー分野を中心に両国の関係を強化することで合意した。中東で政治的・経済的な影響力を高める戦略の一環で、国営石油会社ロスネフチやガス会社ガスプロムはイランでの石油・天然ガス開発に総額300億米ドルを投じる。
ロスネフチは同会談に合わせて、イラン国営石油(NIOC)と戦略提携を結んだ。探鉱・生産事業のほか、技術供与や人材育成で協力する。セチン社長によると、今回の提携の石油生産量は年5,500万トンに上る見通しだ。
イランは2021年までに総額2,000億ドルに上る複数の上流・下流事業を計画しているが、現時点で確定している投資案件は7月に仏トタルと結んだ48億ドルの取引1件にとどまる。
ロシアは中東における影響力の拡大を進めており、先月初旬にはサウジアラビアと30億ドル超の投資契約を結んだ。下旬にもロスネフチがイラクのクルド人自治区におけるパイプライン経営権の取得で自治区政府と合意している。