カウフホーフ―競合カールシュタットの親会社が買収も―

オーストリアの不動産大手シグナがカナダ小売大手HBCハドソンズ・ベイ・カンパニー(HBC)に対し独デパート子会社ギャラリア・カウフホーフを買収することを打診した。シグナはカウフホーフの競合カールシュタットの親会社であることから、買収が実現すると、ドイツの2大デパートを傘下に収めることになる。メディアが報じ、HBCとシグナが追認した。

買収提示額は約30億ユーロで、そのうち26億3,000万ユーロを店舗などの不動産が占めるという。

HBCは2015年、カウフホーフを28億2,500万ユーロで買収し、欧州市場に進出した。だが、カウフホーフの経営は悪化し、昨年は売上が減少して赤字を計上。今年も赤字が見込まれている。

これを受け経営陣はもの言う株主から欧州事業からの撤退を強く要求され、窮地に陥っている。シグナはこの事情を踏まえて、今回の買収提案を行ったもようだ。

シグナは14年にカールシュタットを買収した。カールシュタットは経営が悪化し、立て直しは難しいとみられていたものの、黒字転換を果たしており、再建が進んでいる。

シグナはカウフホーフの買収をこれまでに2度試みたものの、ともに失敗。今回が3度目の挑戦となる。

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