ハイテク企業向けの金融サービスで有名な米シリコンバレーバンク(SVB)がドイツ市場進出の準備を進めているもようだ。3日付の経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が報じたもので、同行は現在、ビジネスに特化したSNS「リンクトイン」でドイツ勤務の人材を募集している。SVBは報道内容へのコメントを控えている。
SVBは1983年の設立で、米国のほか中国、イスラエル、アイルランド、英国でも事業を展開している。グレッグ・ベッカー最高経営責任者(CEO)はHB紙の3年前のインタビューで、「問題はドイツに進出するかどうかではなく、いつ進出するかだ」と発言。新たな国に進出する前には規制動向を調査する必要があるとの立場を明らかにしていた。
同CEOはまた、ドイツはスタートアップ市場規模が英国に次いで欧州で2番目に大きいにもかかわらず資金調達環境が悪いことから、この分野で市場開拓の余地があるとの見方を示していた。
SVBはリンクトインで現在、フランクフルト勤務の営業部長を募集している。また、コメルツ銀行のベンチャーキャピタル子会社マインインキュベーターで昨年まで経営を主導してきたクリスティアン・ホップ氏は同SNSへの投稿で、SVB独拠点の社長を11月から務めることを明らかにしている。