VWがEVや自動運転の開発に巨額投資、5年で340億ユーロ強

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は17日、2018年から22年までの5年間に電気自動車(EV)/ハイブリッド車(HV)、自動運転、新規モビリティサービス、デジタル技術の開発にグループ全体で総額340億ユーロ以上を投資する計画が監査役会に承認されたと発表した。これらの技術は中長期的に自動車のあり方を大きく変えることから、同社は巨額投資を通して競合に対する優位を確保する考えだ。

VWは9月に打ち出した電気駆動車に関する新戦略「ロードマップE」で、新車販売に占めるEVの割合を25年までに25%(最大300万台)へと拡大し、30年には全モデル(約300モデル)で少なくとも1車種を電気駆動車とする方針を表明した。野心的な計画で巨額の開発資金を要することから、今回の計画ではEV/HV分野に最大の投資額が割り振られている。VWのマティアス・ミュラー社長は「エレクトロモビリティ分野で25年までに世界1位となるための前提が作り出された」と述べ、今回の計画承認の意義を強調した。

監査役会はまた、生産効率を引き上げる計画も承認した。これによりVW「パサート」の生産は18年末以降、エムデン工場へと集約。VW「ゴルフ」の次世代モデルの製造もヴォルフスブルク本社工場へと一元化される。また、ツヴィッカウ工場は新プラットホーム「MEB」採用のEVを専門に手がける工場へと改められる。

技術開発に巨額資金を投じるものの、同社は自動車部門の実物投資と研究開発投資の総額が売上高に占める割合を20年以降、16年の6.9%から6.0%へと引き下げる計画だ。

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