特殊化学大手の独エボニック(エッセン)は12月21日、デンマークの新興企業HPNow ApSに資本参加したと発表した。HPNowが持つ生産技術を活用して過酸化水素水(H2O2)事業を強化する狙い。ベンチャーキャピタル部門を通して過半数未満の株式を取得。監査役1人を派遣する。出資額と出資比率は公表していない。
HPNowは水と空気と電力を用いて過酸化水素水を自動的に生産する技術を開発した。低濃度であっても必要量を必要とする場所で生産できるのが強みで、これまで輸送・貯蔵上の理由から投入が難しかった農業などに投入しやすくなる。エボニックのベンチャーキャピタル部門を統括するベルンハルト・モーア氏は「今回の出資は顧客にオーダーメイドのシステムソリューションを提供するというわが社の戦略を支えるものだ」と説明した。
エボニックのベンチャーキャピタル部門は資金総額が1億ユーロで、これまでに20以上の新興企業、特殊ファンドに出資した。欧州、北米、アジアを重点地域としている。