欧州航空宇宙大手エアバス・グループは18日、超大型旅客機「A380」を中東のエミレーツ航空から受注したと発表した。A380はこれまで2年間、新規受注が途絶えており、新たな受注がなければ生産打ち切りが避けられない状況だったが、今回の取引によりそのリスクを回避できる見通しだ。
エミレーツに最大36機を納機することで基本合意した。カタログ価格ベースの取引金額は160億ドル。2020年から引き渡しを開始する。36機のうち16機はオプション契約となっている。
エアバス民間機部門のジョン・リーヒー最高執行責任者(顧客担当)はA380の生産打ち切りを検討していることを15日に明らかにしたばかり。今回の受注獲得を受けて、A380の生産を少なくとも今後10年は継続できると明言した。また、個人的な見解と断ったうえで、他の航空会社も同機を発注するとの予想を示し、生産は30年代に入っても続けられるだろうと述べた。
エアバスはA380を昨年末までに計222機、顧客に引き渡しており、今月15日時点の受注残は95機にとどまっていた。
エミレーツは同機を最も多く購入した航空会社で、発注数は今回の契約締結以前の時点で142機に上っていた。これまでに100機以上の引き渡しを受けている。