ドイツの製糖大手ファイファー・ウント・ランゲンがルーマニア工場を閉鎖する。現地情報サイト『digi24.ro』が14日報じたもので、原料調達コストの低いポーランドとウクライナへの生産移転を検討しているもようだ。同工場は生産コスト増で採算が取れず、赤字経営が続いていた。
ハンガリー国境に近い西部オラデアにある同社工場では昨年末、原料であるテンサイの調達価格交渉が決裂した。約90の現地生産者の要求価格が1トン当たり516ユーロで、ポーランドの320ユーロを大きく上回ったためだ。販売先を失うことを懸念した生産者による工場買収の試みも失敗した。
ファイファーは今年春にルーマニア工場を閉鎖し、従業員約200人を解雇する。同工場の2016年の売上高は7,800万ユーロで、640万ユーロの損失を計上した。
ファイファーは中東欧ではルーマニアのほかポーランド、スロベニア、ウクライナ、ハンガリーに生産拠点を構える。