欧州中銀、金融政策を維持

欧州中央銀行(ECB)は25日に開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決めた。主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.4%に据え置く。量的金融緩和策についても、9月末まで継続することを確認した。

ECBはユーロ圏のデフレ回避と景気下支えを目的に、ユーロ圏の国債などを買い入れる異例の量的金融緩和を15年3月に開始。昨年10月の理事会で、12月末となっていた実施期限を2018年9月まで延長するものの、1月以降の購入額は月600億ユーロから半額の300億ユーロに減らすことを決めた。

ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、量的緩和を予定通り続けると同時に、必要に応じて買い取り額を引き上げる用意があることを確認。また、市場ではユーロ圏の景気拡大を受けて、ECBが年内に利上げに踏み切るとの観測が浮上しているが、「年内に利上げする可能性は極めて低い」と述べた。

一方、ドラギ総裁はこのところ進んでいるユーロ高・米ドル安がユーロ圏の景気回復、物価上昇の妨げになるとして懸念を表明。米国のムニューシン財務長官がスイスで開催中のダボス会議でドル安を容認する発言を行ったことについて、通貨安競争を避けるという国際合意に反するとして批判した。ただ、ユーロ高の一因はユーロ圏の景気拡大にあると述べたことから、ユーロ相場の動向への警戒感が薄いと市場で受け止められ、ユーロは同日、対ドルで一段と上昇した。

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