独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のスウェーデン商用車子会社スカニア(セーデルテリエ)は25日、スウェーデンの新興企業ノースボルトと共同で大型トラック用電池セルの共同開発、商業化で合意したと発表した。電動トラックに適したセルを確保するとともに、電動車両の基幹部品であるセルの分野でアジアのサプライヤーに全面依存している現状を改めることが狙いとみられる。親会社VWは独ザルツギター工場でテスト用セルの少量生産を計画しており、スカニアの今回の協業をVWグループの電池事業本格化に向けた布石とみる向きもある。
ノースボルトは昨年10月、スウェーデン北東部のシェルレフテオーに欧州最大規模のリチウムイオン電池工場を建設する計画を発表した。年内に建設を開始する予定で、2020年に第1期の工事を終えると、生産能力は年8ギガワット時(GWh)となる。2023年に全体が完成すると年32GWhへと拡大する。
スカニアは今回の提携で1,000万ユーロを投資。また、ノースボルトが予定するデモ用生産ラインの建設を支援する。スカニアのヘンリク・ヘンリクソン社長は「トラック、バスを購入する顧客のニーズに応えるためには現在の電池セル技術を一段と発展させなければならない」と述べ、トラックなどでは乗用車と異なる電池が必要なことを指摘。大型トラック用電池セルの開発・商業化に取り組む理由を説明した。