独ビール大手ヴァルシュタイナーは1日の従業員集会で、人員整理方針を明らかにした。販売減を受けた措置で、全従業員(1,500人)の6分の1に当たる最大240人を整理する。整理解雇は可能な限り回避するものの、避けられない場合は踏み切る意向だ。
ドイツではビール消費量が長期的に減少しており、昨年の国内消費量は1993年に比べが26.6%減少した。ヴァルシュタイナーは特に減少幅が大きく、主力ブランド「ヴァルシュタイナー」の昨年の出荷高は08年に比べて27.9%落ち込んだ。競合ブランドをみると、「ケーニヒ」は20.3%減、「ベックス」は14.5%減、「ビットブルガー」は1.5%減、「クロンバッハ」は5.9%増、「フェルティンス」は12.2%増となっており、ヴァルシュタイナーの不振が目立つ。
同社は経営再建に向けて周辺事業である物流部門を売却するほか、今後5年間に計2億5,000万ユーロを投じて生産設備の近代化と研究開発拠点の拡充を行う。生産ではデジタル・自動化を進め、研究開発では消費者の新しい嗜好に迅速に対応できる体制を整える。
同社はオーナー企業で、自己資本比率が50%を超えており、財務基盤は安定している。