欧州委員会は6日、米アップルが音楽認識サービスの英シャザム・エンターテインメントを買収する計画を審査対象にすると発表した。個別に買収の可否を判断する予定だった欧州7カ国からの要請に応じたもので、EU競争法に照らして問題がないかどうかを調査する。
シャザムは周囲で流れている音楽をスマートフォンのマイクで識別し、それが何の曲かを教えるアプリを運営する企業。アップルは同社の音楽配信サービス「アップル・ミュージック」に合致するとして、昨年12月に買収すると発表していた。買収額は4億ドル程度とされる。
同買収は規模が比較的小さく、EUによる審査が必要となる案件に当たらないため、欧州ではオーストリア、フランス、イタリア、スペイン、スウェーデン、ノルウェー、アイスランドの7カ国が独自に買収を認めるかどうかを審査することになっていた。しかし、欧州の関連市場の競争に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、欧州委による調査を求めた。
欧州委はアップルに情報提供を求めた上で、同買収に競争上の問題がないかどうかを慎重に検証する。