ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は7日発表した企業景気アンケート調査レポートのなかで、2018年の国内総生産(GDP)予測を従来予測(昨秋)の実質2.2%から2.7%へと大幅に上方修正した。景気が好調なうえ、年初に実施した企業アンケート調査の結果も良好だったためだ。ヴァンスレーベン専務理事は17年まで4年連続で2%前後の高い伸びが続いていることを踏まえ、「ドイツ経済はフル回転している」と明言した。
DIHKは毎年3回、会員企業を対象に大規模な景気アンケート調査を行っており、今回の年初調査では約2万6,000社から回答を得た。業種別の内訳は製造が28%、建設が7%、流通が23%、サービスが42%となっている。
それによると、事業の現状を「良い」とする回答の割合は前回調査(秋)の51%から54%へと上昇し過去最高を記録。「悪い」(6%)との差は45ポイントから48ポイントへと拡大し3回連続で過去最高を更新した(下のグラフ参照)。
同数値は建設を除くすべての業界で改善。特に製造は48ポイントから54ポイントへと6ポイントも改善した。冬季は建設需要が減少することから年初の景気アンケートでは建設業界の現状判断が例年、悪化する。
今後1年間の事業見通しを「良い」とする回答は前回の25%から27%へと改善した。「悪い」が2ポイント減の9%だったことから、「良い」と「悪い」との差は14ポイントから16ポイントへと拡大した。流通が横ばいの12ポイントにとどまった以外はすべて大きく改善。建設では8ポイントから15ポイント、製造では18ポイントから24ポイント、サービスでは12ポイントから16ポイントへと上昇した。
メーカーを対象に今後1年間の輸出見通しを尋ねた項目では「輸出が増える」との回答が前回を4ポイント上回る38%へと大きく拡大した。欧州経済の加速が最大のプラス要因となっている。
今後1年間の投資額を「増やす」企業と「減らす」企業の差は前回の19ポイントから22ポイントへと拡大し、前回の引き続き過去最高を更新した。ドイツの景気は従来の個人消費から輸出、投資へと厚みを増している。
経済の加速を受けて事業のリスク要因として専門人材不足、人件費、エネルギー・原料コストの上昇を挙げる企業が増加。内需・外需の減少や為替レートを挙げる企業は大幅に減少した。