商船三井、北極海航路開発でロシア極東投資輸出庁と提携

商船三井(MOL)は27日、ロシア連邦極東開発省極東投資輸出庁と、北極海航路及び極東ロシアの発展に向けて協業を進めることで合意し、覚書を締結したと発表した。北極海航路を通じた世界初の大規模エネルギー資源輸送プロジェクト「ヤマル液化天然ガス(LNG)プロジェクト」の一環だ。北極海の東の入り口となるロシア極東の開発当局と協力することで、航路の整備を進める狙いがある。

MOLは、新開発の砕氷型輸送船により北極圏での海上輸送を実現し、同地域における商業的資源開発をインフラ面から支えることを目指している。また、欧州・アジア間の輸送では現在一般的なスエズ運河経由に比べて北極海ルートの方が所要時間は短く、コストも安いことから、将来的に輸送対象を貨物全般に広げたい意向だ。

MOLはすでに、中国遠洋海運集団(Cosco Shipping)と共同で調達した砕氷LNG船の航行試験を完了し、3月末からの運航開始を予定している。

なお、北極圏LNGプロジェクトの主要株主であるロシア民間エネルギー大手ノバテクとは昨年11月、カムチャツカ半島沖合に新設するLNG積み替え基地の事業化調査を共同で行うことで合意している。

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