ECB次期副総裁、スペインのデギンドス経済相が就任へ

ユーロ圏19カ国は19日に開いた財務相会合で、欧州中央銀行(ECB)の次期副総裁にスペインのデギンドス経済相を起用する人事を承認した。デギンドス氏は5月末に任期満了となるコンスタンシオ副総裁の後任として、6月1日付けで就任する見通しだ。

副総裁の任期は8年。デギンドス氏の就任は3月22~23日に開催されるEU首脳会議での承認を経て正式決定する。

次期副総裁の任命をめぐっては、スペインとアイルランドが候補者を擁立。デギンドス氏とアイルランド中銀のレーン総裁の2人に候補が絞られていた。デギンドス氏には中銀での勤務経験がなく、金融政策に関わったことがないほか、政治家がECBの要職を務めることでECBの独立性が損なわれると懸念する声があり、レーン総裁を支持する動きがあった。

しかし、アイルランド政府が全会一致での指名が望ましいとして、会合開催の直前に擁立を撤回。ユーロ圏の主要国であるスペインが約6年間にわたってECB専務理事のポストを確保していなかったこともあって、全会一致で副総裁に選ばれた。

ECBの総裁、副総裁は域内の地理的なバランスを考慮して任命するのが慣習となっている。副総裁がポルトガル人のコンスタンシオ氏に続き、同じ南欧から選ばれたことで、2019年10月で任期が切れるドラギ総裁の後任に、北欧出身者が就任するのが濃厚。ドイツ連邦銀行のワイトマン総裁が最有力候補と目されている。

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