電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は2日、英国に鉄道車両の生産施設を建設する計画を明らかにした。同国で来年実施される高速鉄道の入札で落札のチャンスを高めることが狙いだ。
英国中東部のグールで工場用地を借り受けた。鉄道車両を落札すれば、2億ポンドを投資して工場を建設。2020年から生産を開始し、高速鉄道54編成を製造する。700人の雇用を予定している。
英国ではロンドン~バーミンガム~マンチェスターを結ぶ高速鉄道路線「HS2」の建設が計画されている。鉄道車両の入札にはシーメンスのほか、仏アルストム、加ボンバルディア、西タルゴ、日立の参加が見込まれる。このうち日立とボンバルディアは英国に鉄道車両工場を持っている。
シーメンスは2011年、ロンドンの近郊鉄道網テムズリンクの車両入札で落札した。これを受け受注を逃したボンバルディが英ダービー工場の雇用規模を半減したことから議会が問題視。車両入札手続きが適正に行われたかの調査を実施した。シーメンスは最終的に受注契約に調印したものの、調印が13年6月へと大幅にずれ込んだ経緯がある。