自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は13日、グループの電動車生産拠点を2022年末までに現在の3カ所から16カ所へと拡大する計画を発表した。電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の生産台数を大幅に増やすためにはそれに見合った数の工場が必要なためで、すでに20年の時点で電動車工場を12カ所とする予定だ。マティアス・ミュラー社長は「フォルクスワーゲンというタンカーは舵を切った。未来という方向に向かって」と言明した。
VWは昨年9月に打ち出した電動車に関する新戦略「ロードマップE」で、新車販売に占めるEVの割合を25年までに25%(最大300万台)へと拡大する方針を表明した。19年から電動車の市場投入を大幅に加速し、25年にはグループ全体で80種類の電動車を販売する計画だ。これを実現するために電動車工場を増やしていく。
電動車に搭載する電池に関しては外部から調達する計画で、すでに欧州と中国で生産する車両向けの電池についてはサプライヤーを選定した。北米生産車向け電池のサプライヤーも間もなく決定する見通しという。電池サプライヤーの企業名は明らかにしていない。
ミュラー社長は電動車事業の強化方針を示す一方で、内燃機関車も今後数十年は重要な役割を果たすと強調。ガソリン、ディーゼル車にはパワートレインも含めて今後5年間に総額900億ユーロ以上を投資する考えを明らかにした。