独特殊化学大手のエボニック・インダストリーズは14日、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州にあるマールケミカルパークに約4億ユーロを投資して、高機能樹脂ポリアミド12(PA12)の新しい製造施設を建設すると発表した。これにより同社のPA12の生産能力は従来に比べ50%以上拡大する。新しい製造施設は2021年初めに操業を開始する予定。
今回のプロジェクトはエボニックにとってドイツで最大の投資計画となる。マールケミカルパークではすでにPA12を生産している。新しい製造施設の建設により、ポリマーおよびその前駆体の生産能力を増強する。同社は今回の投資により約150人の雇用創出を見込んでいる。
PA12は軽量なうえ、安定性や柔軟性、耐熱性に優れるため、鋼鉄の代替として自動車の軽量化用途や石油・天然ガスパイプラインに使用されている。エボニックは、既存の自動車分野の用途に加え、今後の普及拡大が見込まれるハイブリッド車や電気自動車向けにもPA12を供給していく意向を示している。PA12はこのほか、医療分野や3Dプリンティングにも需要がある。