電池材料の開発・製造を事業とする米シラ・ナノテクノロジー(以下、シラ・ナノ)は19日、独自動車大手のBMWグループと次世代リチウムイオン電池を搭載する電気自動車の開発で協力すると発表した。
シラ・ナノは、すでに、従来の負極材料であるグラファイトの代わりとなるシリコンを使用した負極材料を開発している。同社が開発したシリコン製の負極材料は、サイクル寿命が高く、材料の膨張を抑えることができる、エネルギー密度の高い次世代電池の材料として機能しているという。また、当該材料は、既存の電池セルの生産工程に適応しているため、低コストで大量生産できるとしている。
シラ・ナノとBMWグループはこれまでも協力関係にあった。今回の提携では、シラ・ナノが開発した新材料を使用した次世代リチウムイオン電池を搭載する高性能の電気自動車の開発に重点を置く。
シラ・ナノのジーン・ベルディチェフスキー最高経営責任者(CEO)は新材料について、「2020年代の初めには、このイノベーションが電気自動車の新しいパフォーマンススタンダードを設定することになるだろう」との見解を示している。
シラ・ナノは2011年の設立で、米カリフォルニア州のアラメダに本社を置く。シリコンバレーのバッテリーエンジニアとジョージア工科大学の材料工学の教授が設立した。同社は次世代の電池材料の研究開発と実用化に取り組んでいる。