自動車の排気系部品や暖房システムを製造する独エーベルスペッヒャーは10日、中国の天津で電気ヒーター工場の開所式を行った。新工場では、電気自動車とハイブリッド車向けの高電圧ヒーターの製造に重点を置く。新工場の開設により、成長する中国の乗用車市場、特に電気自動車向けの部品生産を拡大し、現地市場におけるプレゼンスを強化する。新工場では将来、電気自動車向けの高電圧ヒーターを最大で年100万ユニット生産できる見通し。
新工場では、乗用車向けに水を使用する高電圧の電気ヒーターと低電圧のエアヒーターを生産する。高電圧ヒーターは主に、中国メーカーや外資と現地企業による合弁会社が生産する電気自動車向けに生産する。低電圧の製品は、世界市場に供給する。また、乗用車や商用車、救急車などの特殊車両向けに、燃料電池で作動する暖房装置も生産する。天津の従業員数は、現在の約100人から、2022年までに約200人と2倍に増やす計画。
新工場は、北京から南東に約100キロメートルの距離にある。拠点の選出では、既存の北京工場に近いことも決め手となった。新工場は、ドイツ工場とも連携しており、ヘルクスハイムとヘルムスドルフにある拠点から、PTCセラミックを供給する。エーベルスペッヒャーの空調システム部門は、ドイツ、ポーランド、中国、インド、ブラジル、メキシコに計10の工場を持っている。