仏石油大手トタルは18日、電力・ガス小売りを手がける仏ディレクトエネルジーの株式74.33%を取得すると発表した。ディレクトエネルジーの取締役会もトタルへの株式売却を承認している。トタルは今回の取引を機にエネルギー小売り市場で基盤強化を加速させ、仏電力市場で圧倒的なシェアを持つフランス電力公社(EDF)を追撃する。
発表によると、トタルはディレクトエネルジーの株式を1株あたり42ユーロで取得する。これは17日終値に30%上乗せした水準で、取引総額は14億ユーロに上る。トタルは残りの株式についても同じ条件で公開買い付け(TOB)を実施する。
ディレクトエネルジーは2007年のエネルギー小売り自由化を受けて市場参入した企業で、顧客数は約260万件。一方、トタルは16年にベルギーの再生可能エネルギー大手ランピリスを買収し、電力小売り市場への参入を果たした。トタルは現在、フランスに150万件の顧客を持つ。同社は22年までにフランスで600万超、ベルギーで100万超の顧客を獲得するとの目標を掲げている。