欧州中銀、金融政策を維持

欧州中央銀行(ECB)は26日に開いた定例政策理事会で、現行金融政策の維持を決めた。主要政策金利を0%、中銀預金金利をマイナス0.4%に据え置く。ユーロ圏の国債などを買い入れる量的金融緩和策についても、9月末まで継続するという従来の方針を確認した。

ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、ユーロ圏では景気回復が続いているが、今年に入って鉱工業生産、企業景況感などが悪化し、成長のペースが鈍っていることを確認。また、米国などでの「保護主義の台頭」など外的要因によるリスクが強まっているとの認識を示した。

ただ、ドラギ総裁は成長鈍化について、天候やストライキなど一時的な要因もあるとして、ユーロ圏経済は依然として回復基調にあると指摘した。

ECBは昨年10月、ユーロ圏でデフレの懸念がなくなり、景気回復も進んでいることから、15年3月に開始した異例の量的金融緩和の実施期限を17年12月末から2018年9月まで延長するものの、1月以降の購入額は月600億ユーロから半額の300億ユーロに減らすことを決定。3月の定例政策理事会後に発表した声明では、「量的緩和の規模を必要に応じて拡大する用意がある」という従来の文言が削除され、金融政策の正常化に前向き姿勢を示した。

市場ではECBが6月または7月の理事会で、9月以降の量的緩和の扱いに関する方針を示すとの観測が浮上している。

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