フォルクスワーゲン―会計基準の新ルール適用で減益に―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)グループが4月26日発表した2018年1-3月期(第1四半期)決算の営業利益は前年同期比3.6%減の42億1,100万ユーロへと落ち込んだ。新モデル投入コストのほか、金融商品に関する国際会計基準(IFRS)の新ルール(第9号)が今年から適用された影響で金融派生商品の評価額が引き下げられたことが響いた格好だ。IFRSの新ルールを除いた調整ベースでは営業利益がやや増加した。

売上高は3.6%増の582億2,800万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の7.8%から7.2%へと低下した。

税引き前利益は44億7,700万ユーロで、2.5%減少した。同利益が営業利益よりも大きいのは、中国合弁の利益はVWの営業利益に含まれず、金利収入として税引き前利益に計上されるため。

営業利益を部門別でみると、主力のVWブランド乗用車は1.2%増の8億7,900万ユーロとやや拡大した。販売増と生産コストの削減が増益につながった。スペイン乗用車ブランドのセアトは51.4%増の8,500万ユーロと大幅に伸びた。乗用車の主要ブランドはすべて増益を確保し、商用車部門も9.1%の伸びを記録した。

18年12月期は売上高で最大5%増、売上高営業利益率で6.5~7.5%を見込んでいる。

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