欧州中央銀行(ECB)は8日、スペイン大手銀行のバンコ・サバデルが自己資本規制に違反したとして、160万ユーロの罰金支払いを命じたと発表した。ユーロ圏の銀行は自社の株式を買い戻す際、事前にECBの銀行監督委員会から承認を得なければならないが、サバデルはこの手続きを怠った。サバデルはECBの命令を不服としてEU司法裁判所に提訴した。
ECBによると、サバデルは2014年1月1日から16年11月7日にかけて、損失吸収力の高い自己資本(普通株式や内部留保など)で構成するCET1(普通株式等Tier 1)を買い戻した。同行は銀行監督委の承認を得ずに株式買い戻しを実施しており、ECBは自己資本規制に抵触すると判断した。
サバデルは資産額でスペイン5位の銀行で、米国と中南米でも事業を展開している。15年には英ロイズ・バンキング・グループ傘下のTSB銀行を買収し、欧州で初めて本国以外の市場に参入した。スペイン東部カタルーニャ自治州が独立への動きを強める中、同州サバデイを拠点とするサバデルは昨年10月、本社登記地をバレンシア州アリカンテに移転する方針を打ち出している。