ドイツ連邦統計局が8日発表した3月の輸出高(暫定値)は前年同月比1.8%減の1,161億ユーロへと後退した。輸出減は11カ月ぶり。比較対象の2017年3月に比べ営業日数が少なかったほか、貿易環境の悪化が響いたもようだ。独卸売・貿易業者連盟(BGA)のホルガー・ビングマン会長は欧州連合(EU)離脱を控える英国と保護主義政策を打ち出す米国向けが減少したことを指摘し、グローバルな紛争と先行き不透明感の影響が出始めたとの見方を示した。
輸入高(暫定値)は909億ユーロで、こちらも2.3%減少。貿易収支の黒字幅は0.4%増の252億ユーロとわずかに拡大した。経常黒字は11.0%減の291億ユーロへと落ち込んだ。
輸出を仕向け先別でみると、EU域外が5.9%減の474億ユーロ、EUのユーロ非加盟国が3.9%減の245億ユーロへと後退した。ユーロ加盟国は4.4%増の442億ユーロに拡大した。
輸入もEU域外が5.9%減の375億ユーロ、EUのユーロ非加盟国が2.0%減の183億ユーロと振るわなかった。ユーロ加盟国は1.7%増えて350億ユーロとなった。
1~3月の輸出高は3,279億ユーロで、前年同期を2.8%上回った。輸入高は2.9%増の2,670億ユーロで、貿易黒字は2.3%増の610億ユーロへと拡大。経常黒字は4.6%増えて711億ユーロとなった。
1~3月の輸出をけん引したのはEU加盟国向けで、前年同期を6.8%上回った。EUのユーロ非加盟国向けは1.9%増、EU域外向けは0.3%減だった。
1~3月の輸入もEU加盟国からの伸び率が最も大きく、4.5%に上った。EUのユーロ非加盟国は2.7%増、EU域外は1.6%増だった。