独小売業中央連盟(HDE)が4月30日発表した国内のネット通販市場規模(業界売上高)は昨年、前年比10.5%増の489億ユーロとなり、これまでに引き続き2ケタ台の伸びを記録した。売上高の47%をアマゾン(アマゾン以外の事業者が出店するマーケットプレイスを含む)が占めており、同社の存在感は突出している。
アマゾン・マーケットプレイスは実店舗型小売店の重要な販売チャンネルとなっており、ネット通販市場に占めるこれら小売店の割合は12%に上った。
昨年の独小売売上高(薬局・自動車販売店・燃料販売店を除く)は前年比4%増の5,130億ユーロで、ネット通販のシェアは前年の9.0%から9.5%へと拡大した。非食料品部門では小売売上に占めるネット通販の割合が14.0%(16年:13.3%)に上ったのに対し、食料品部門は1.1%(同0.8%)にとどまった。
消費者がネット購入の際に用いる機器ではスマートフォンの重要性が高まっており、シェアは2015年の19.7%から16年に24.5%、17年には29.3%へと上昇した。タブレットも15年が9.1%、16年が11.2%、17年が12.8%と利用が増えている。パソコン利用は減少傾向にあり15年の71.2%から16年に64.2%、17年には57.9%へと落ち込んだ。
今年はネット通販市場が9.7%(47億ユーロ)増の536億ユーロに拡大。小売売上に占める割合は10.2%となり、初めて10%を超える見通しだ。ネット通販市場の拡大幅47億ユーロのうち21億ユーロをアマゾン・マーケットプレイス、11億ユーロをアマゾンの直販が占める。