ロシア連邦統計局(ロススタット)が4日発表した4月のインフレ率は2.4%となり、前月から横ばいだった。物価変動の激しい製品を除いたコアインフレ率は1.9%で、過去最低を記録した前月より0.1ポイント高かった。
食品の物価上昇率が前月比0.2ポイント減の1.1%にとどまったのに対し、ノンフードは0.3ポイント増の2.7%、サービスは0.1%増の4%に達した。
蘭ING銀モスクワ支店のエコノミスト、ポレヴォイ氏は、「消費回復の度合いがインフレ率の上昇幅に反映されることになる」とした上で、「景況感の改善が続いているものの、不安要素の存在から貯蓄意欲も高い」と指摘した。
中央銀行は先月下旬、企業の活動が活発化していることを背景に、物価上昇を見守る姿勢を打ち出した。これにより、インフレ率が次第に中銀目標の4%へ近づいていくが、4%を超える可能性は小さいとみている。
ロシア製造業は、米国の対ロ制裁強化によるルーブル安にもさらされ、材料の調達費用がかさんできている。調査会社IHSマークイットの調べによると、4月の投入価格指数は2015年9月以来の大きな上昇幅を記録した。