英企業の対独グリーンフィールド投資20%増加、ブレグジットが追い風に

現地法人を新設して設備や従業員、顧客の確保を一から行う投資であるグリーンフィールド投資を昨年ドイツで行った英国企業は前年比20%強増の152社へと拡大し、過去最高を更新した。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を見据え、EU事業を強化する動きが強まっていることが反映された格好。独貿易・投資振興機関(GTAI)の情報としてロイター通信が24日、報じた。GTAIの職員は「英国からの問い合わせは増えている」と述べ、ドイツ進出の増加は今年も続くとの見方を示した。

英企業の昨年の対独グリーンフィールド投資は金融・企業向けサービスとIT・ソフトウエア分野が中心で、全体の半分以上を占めた。製造業分野で同投資が今後、増えるかどうかは不明だとしている。

全世界からの対独グリーン投資件数は昨年1,910件で、過去2年間とほぼ同水準だった。最大の投資元国は米国で276件を記録。これに中国が218件で続いた。3位はスイスで、英国は4位だった。分野別では金融・企業向けサービスが最も多い。2位は投資財、3位はソフトとなっている。

外資の対独M&A(買収・合併・出資)は1,925件に上った。同件数が最も多かった出資元国は英国で、2位は米国だった。英資本の対独出資は大手企業の資本10%未満を取得するケースが多く、GTAIの職員は「ブレグジットを踏まえ投資ポートフォリオを幅広く分散しようとしている可能性がある」と述べた。

上部へスクロール