イタリア通信規制庁(AGCOM)は5月23日、9月に第5世代(5G)携帯電話サービス向け周波数帯域の入札を実施すると発表した。入札の対象は694-790MHz帯、3.6-3.8GHz帯と26.5-27.5GHz帯。テレコムイタリアやボーダフォンイタリアをはじめとする携帯電話事業者のほか、通信インフラ企業も入札に参加する見通しで、AGCOMは少なくとも25億ユーロの調達を見込んでいる。
欧州連合(EU)は2020年末までに全ての加盟国で5Gサービスの導入が可能な都市を特定して通信網の整備を進め、25年までに域内の全ての都市部と主要幹線道路を5Gネットワークでカバーするとの目標を掲げている。欧州委員会が先に公表したEU加盟国におけるデジタル化の進展度を示す評価指標「デジタル経済社会指数(DESI)」によると、イタリアは28カ国中、25位と出遅れているが、欧州で5Gサービス向け周波数の入札による割当ルールを定めた最初の国となった。
AGCOMによると、入札参加資格には移動体通信事業への新規参入を促す要素が含まれており、イタリアの電力大手エネルと預託貸付公庫(CDP)の合弁会社で光ファイバー網を整備・保有するオープン・ファイバーなど、通信インフラ企業の参加が見込まれている。