ドイツ銀が「問題行」に分類、S&Pは格付け引き下げ

経営再建に取り組むドイツ銀行に新たな火の粉が飛びかかっている。5月31日付『ウオール・ストリート・ジャーナル』紙によると、米連邦準備理事会(FRB)は同行の米国事業を「問題のある状態」に指定。格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は翌1日、ドイツ銀の格付けを引き下げた。

FRBは1年前、同行の米事業を最も低い指定の1つである問題のある状態に指定した。これを受け同行は米管理職の人事をFRBとの調整のうえで決定しなければならなくなったという。

S&Pはドイツ銀の格付けを「A-」から「BBB+」へと引き下げた。ゼーヴィング新頭取が打ち出した戦略が実行されるかどうかに懸念があるためと説明している。ただ、実行されることを期待し見通しについては「ポジティブ」とし、再び引き上げる可能性を示した。

格付けが引き下げられたことで、同行の資金調達コストは上昇する恐れがある。

他の格付け大手ではムーディーズが引き下げを検討している。フィッチは昨年9月の時点で低評価の「BBB+」へと引き下げており、更なる引き下げは検討していない。

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