スイス鉄道車両大手のシュタッドラーは5月29日、ベラルーシの首都ミンスク近郊のファニポールの工場拡張に3,500万ユーロ規模の投資を行う計画を発表した。トラムや鉄道車両用コンバーターのほか、年間300両の鉄道車両を製造するためのもので、当初の投資額は約2,500万ユーロ。将来的に1,000万~1,200万ユーロを追加投資し、車両の年産能力を450両まで引き上げる。
同社のシュプーラー最高経営責任者(CEO)によると、ロシアや西欧諸国などへの輸出が伸び、業績が好調なことから拡張を決定した。ファニポール工場は最新技術を導入しており、生産水準はシュタッドラーの他工場と比べてそん色ない。同工場からはボリビア第3の都市コチャバンバにトラムを供給する計画で、シュタッドラー初の南米進出となる。
シュタッドラーは2014年、ロシアの空港連絡鉄道運営会社アエロエクスプレスと24両の車両供給契約を結び、うち22両をファニポール工場で製造した。しかし、ロシアの経済不況で発注数が11両に減ったため、シュタッドラーは余剰の9両をアゼルバイジャンに、同4両をジョージア(旧グルジア)に販売した経緯がある。