アゼルバイジャン産天然ガスを欧州に運ぶ南ガス回廊が5月29日、一部が開通し記念式典が開催された。同回廊はカスピ海沖にあるシャーデニス・ガス田からジョージア、トルコを経由してイタリア南部までを結ぶ3つのパイプラインから成るもので、総延長は3,500キロメートル。年間輸送量は2020年までに100億立方メートルに達する。開通式にはアゼルバイジャンのアリエフ大統領、石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長などが参加した。
首都バクーの南西55キロメートルにあるサンガチャル・ターミナルで開通式に臨んだアリエフ大統領は、「このプロジェクトによって欧州の新たなエネルギー地図を描いていく」と述べた。
トルコのアルバイラク・エネルギー天然資源相は5月11日、南ガス回廊を構成するアナトリア横断パイプライン(TANAP)の稼働開始は6月12日になるとの見通しを明らかにしている。
シャーデニス・ガス田とパイプラインへの投資額はこれまでで400億ドルに上る。