セルラーV2Xで交通事故削減、コンチネンタルなどが試験

自動車部品大手の独コンチネンタルは10日、車両とあらゆるものをつなぐ通信技術であるセルラーV2Xの試験を英電気通信大手ボーダフォンと共同実施すると発表した。交通事故の削減と渋滞緩和を実現する狙い。第5世代通信方式(5G)とモバイル・エッジコンピューティング、人工知能(AI)を活用してテストを行う。

独西部のアルデンホーフェンにあるボーダフォンの施設「5Gモビリティ・ラブ」でテストを実施する。テストで実現を目指すのは◇運転手の死角にいる歩行者・自転車の巻き込み事故防止◇渋滞情報の送信による交通のスムーズ化と追突事故の防止――の2点。

巻き込み事故防止では車載カメラで捉えた歩行者などの情報を基地局のモバイル・エッジコンピューターに送信。AIで解析したうえで周辺の車両にリアルタイムで注意を促す。

エッジコンピューティングは端末の近くにサーバーを分散配置するネットワークコンピューティング技法。クラウドと異なり端末からサーバーまでの通信経路短いため、迅速な通信が可能になるというメリットがある。交通状況は一刻一刻、変化することから、情報のスピードは事故予防の精度を大きく左右する。

モバイル・エッジコンピューター上のAIに交通状況の解析を委ねると、車両に高性能かつ高価なチップセットを搭載する必要がなくなるため、車両価格の上昇を防げるというメリットもある。

渋滞に関しては巻き込まれた車両が発する情報を周辺の車両に送信。渋滞地点との距離が比較的離れている車両に対しては迂回路の候補をリアルタイムで提示する。渋滞に巻き込まれる直前の車両に対しては警報を出して減速を促し、追突事故を予防する。

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